バイヤーは展示会のブースデザインを見ていない!成果を出すための展示会出展戦略


展示会への出展は、新たな取引先を開拓する大きなチャンスです。
多くの会社が、ブースの装飾やデザインに多大な時間と費用をかけていますが、果たしてそれは正しい戦略でしょうか。
結論から言えば、バイヤーはブースの装飾を見に来ているわけではありません。彼らが本当に求めているのは、
「新しい商品」「自社の売上アップにつながる提案」なのです。

なぜブースの装飾にこだわる必要があるのか?

展示会に出展する際、多くの食品会社は「少しでも見栄えのいいブースにしよう」と考え、
装飾業者との打ち合わせに多くの時間を費やします。派手な照明、凝ったディスプレイ、目を引くタペストリーなど、
ブースを華やかにすることで、来場者の注目を集めようとします。

冷静に考えてみてください。バイヤーは、お店の売上を伸ばすための商品を探しに展示会に来ています。
彼らのミッションは、まだ世に出ていないユニークな商品、消費者の心を掴むであろう商品、自社にマッチした商品、
美しいブースを鑑賞するために来ているわけではありません。

むしろ、過剰な装飾は逆効果になることさえあります。
派手なブースは「この会社はデザインにお金をかけているな」という印象を与え、
商品の品質や中身に自信がないのではないか、と疑念を抱かせる可能性もあります。
また、装飾にかけた費用は最終的に商品価格に上乗せされ、それが適正な価格交渉の妨げになることもあります。

バイヤーがブースに求める本当の価値

では、バイヤーは展示会のブースに何を求めているのでしょうか。それは、商品の魅力が明確に伝わることです。
ブースのデザインはシンプルでも、商品そのものが際立っていれば、バイヤーの目はそこに釘付けになります。

バイヤーが注目するポイント

  1. 商品のコンセプト: この商品は誰のために作られたのか?どのような問題を解決するのか?そのストーリーが明確か。
  2. 商品の独自性: 他社の商品にはない強みや特徴は何か?独自の製法、希少な原材料、新しいフレーバーなど、
    バイヤーが興味を持つ要素があるか。
  3. 具体的な提案: この商品を導入することで、バイヤーの会社にどのようなメリットがあるのか?
    売上がどれくらい伸びるのか?具体的な数字やデータを提示できるか。

展示会は、御社の商品の魅力をバイヤーに直接、そして端的に伝えるための場です。その目的を達成するために、
ブースのデザインは最低限で十分なのです。

成果を出すための展示会出展戦略

装飾に時間や費用をかける代わりに、そのリソースを以下の3つのことに集中させましょう。

1. バイヤーに刺さる「提案資料」を作成する

バイヤーは多忙です。彼らが立ち寄る時間はほんの数分かもしれません。その短い時間で、御社の商品の魅力と、
バイヤーの会社にもたらすメリットを明確に伝える必要があります。

提案資料に盛り込むべき項目

  • 商品概要: 商品名、価格、賞味期限、ロット数など、基本的な情報を簡潔に記載。
  • 商品の強み: なぜこの商品が優れているのか?他社との違いを明確にアピール。
  • ターゲット層と市場: どのような消費者に向けた商品なのか?その市場の規模や成長性をデータで示す。
  • 具体的な導入メリット: 導入後の売上予測、顧客満足度の向上、メディア露出の可能性など、
    具体的な数字や成功事例を提示。

この提案資料は、名刺交換後すぐに渡せるように準備しておきましょう。

2. 展示会で「テストマーケティング」を行う

展示会は、バイヤーだけでなく、来場者の反応を直接知る絶好の機会です。商品の試食・試飲を用意し、
来場者の感想を積極的に聞いてみましょう。

「この味はどうですか?」「どこに魅力を感じますか?」といった質問を通して、
商品の改善点や新たな可能性が見えてくることがあります。また、特定のターゲット層に絞った質問をすることで、
今後のマーケティング戦略のヒントを得ることもできます。

3. 展示会後のフォローアップ計画を立てる

展示会で名刺交換したバイヤーとの関係は、そこからが本番です。展示会が終わったら、
できるだけ早くフォローアップの連絡を入れましょう。

フォローアップのポイント

  • 感謝のメール: まずはブースに立ち寄ってくれたことへの感謝を伝えます。
  • 個別提案: 相手の会社の特徴やニーズに合わせて、パーソナライズされた提案を再度送ります。
  • 定期的な情報提供: 新商品情報や会社の最新ニュースを定期的に提供することで、関係を継続させます。

松下幸之助は、「商売は、信用を築くこと」と語りました。これは、展示会での一時的な出会いを、
長期的な信頼関係へと発展させることの重要性を説いています。
また、中村天風も「積極的な努力」の重要性を説きましたが、これは、展示会後の粘り強いフォローアップにも通じます。

まとめ

展示会は、華やかなブースを競う場ではありません。本当に重要なのは、バイヤーの心を掴む商品の魅力と、
具体的な提案力です。

装飾業者との打ち合わせに時間を使うのではなく、その時間をバイヤーに刺さる提案資料の作成や、
テストマーケティング、そして丁寧なフォローアップに充てることで、展示会の出展効果は飛躍的に高まります。

シンプルで清潔感のあるブースで、商品の魅力を最大限に引き出し、御社のビジネスを次の段階へと進めるための、
より実質的な展示会戦略を築いていきましょう。

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