食品の販路開拓専門家・伊藤晴敏です。
食品企業の販路開拓において、展示会は今でも強力な機会です。
その一方で、展示会に出展しても思ったような成果が出ず、経費と時間だけが無駄になったという社長の声をよく聞きます。
その原因はシンプルです。それは、ターゲットとする取引先がいない展示会を選んでいるからです。
展示会選びを間違えることは、ゴールポストがない場所でサッカーをするようなものです。
この記事では、御社の売上アップに直結する展示会を戦略的に選ぶための逆算思考と具体的なチェックポイントを、
食品会社の社長向けに分かりやすく解説します。
第1章 社長の視点で見直す!展示会選びで9割の会社がおかす根本的な間違い
多くの食品会社が展示会選びで失敗するのは、なんとなく良さそうという担当者任せの判断や、
社長の戦略がないまま規模だけで選ぶことにあります。
間違い1:規模やネームバリューだけで選ぶ危険性
〇〇国際食品展だから人が集まるという理由だけで選定していませんか。確かに来場者数は多いかもしれません。
その来場者の大部分が、御社の求める理想の取引先社長ではない可能性が非常に高いのです。
大規模な展示会は、情報収集やトレンド確認を目的に来る人が多く、具体的な商談を目的に来場するバイヤーの割合は
相対的に低くなります。御社のターゲットが全国の有名スーパーのバイヤーなのか、地域密着の小売店社長なのか、
それとも外食チェーンのオーナーなのかによって、選ぶべき展示会の種類は全く異なります。
間違い2:なんとなく同業者が多いからで選ぶ落とし穴
競合他社が出ているから、うちも出なければならないという発想も危険です。同業他社が多いということは、
その分、来場者の視線が分散し、御社のブースに立ち寄ってもらう難易度が跳ね上がることを意味します。
大切なのは、競合の有無ではなく、御社の強みが最大限に活かせる場所を選ぶことです。
もし御社の製品が特定のニッチなターゲット(例えば、オーガニック専門の小売店や、高齢者向け配食サービス)に
特化しているなら、あえて専門性の高い小規模な展示会を選ぶほうが、競合に埋もれず効率的に新規取引先を開拓できます。
間違い3:出展の目的が曖昧になっている
展示会に出展する目的は売上アップのための商談獲得です。単に名刺交換の枚数を増やすことや、
広報活動が目的になっていませんか。担当者に丸投げし、ブースのデザインや試食の準備ばかりに時間を使っているなら、
社長の戦略が欠けている証拠です。展示会選びの段階で、誰と、何を、いくつ商談するかという明確なゴール設定が必須です。
第2章 ターゲットを絞り込む「逆算の法則」で展示会を選ぶ
失敗しない食品の展示会選びは、目標から逆算することで実現します。この逆算の法則を使えば、
御社の販路開拓の成功率は劇的に上がります。
ステップ1:理想の取引先(ターゲット社長)を具体的に定義する
まず、御社の商品を最も必要としている理想の取引先を具体的に定義してください。
- 業種: 地域のスーパーか、高級デパートか、EC専門か、給食業者か。
- 規模: 年商はいくらか、社員数は何人か。
- 決裁権者: 社長本人か、仕入れ部長か。
ここで重要なのは、誰が最終的な決裁権を持っているかです。食品会社の社長をターゲットにするなら、
社長や役員クラスが来場する商談会を選ぶ必要があります。担当者レベルしか来ない展示会では、
御社の提案が上に届くまでに時間がかかり、時間の浪費になります。
ステップ2:ターゲット社長が「何を目的に」どの展示会に来るかを想像する
定義したターゲット社長が、何の問題を解決するために展示会に来るのかを想像します。
- 例1: ターゲットが健康志向の商材を探す地域スーパーの社長の場合。
- 大規模な総合食品展示会よりも、健康食品・機能性食品に特化した展示会や、
地域に根ざした地方の商談会の方が効率が良いです。彼らは、大規模展では見つからないニッチな商材を探しに来ています。
- 大規模な総合食品展示会よりも、健康食品・機能性食品に特化した展示会や、
- 例2: ターゲットが新しい海外の食材を輸入したい商社の社長の場合。
- 国内の展示会ではなく、国際的な見本市や輸出入に関する専門展を選ぶべきです。
来場者は必ず目的を持って展示会に来ています。その目的と御社のソリューションが合致する場所を選ぶことが、
新規取引先開拓の最短ルートです。
第3章 失敗しないための「3つの最終チェックポイント」
食品 展示会 選び方で失敗を避けるために、出展を決める前に必ず以下の3点を社長自身がチェックしてください。
チェック1:来場者データの「質」を徹底的に検証する
展示会の主催者は、過去の来場者データを公開しています。見るべきは総数ではありません。
- 役職別の来場者割合(社長、役員、部長クラスの割合)。
- 業種別の内訳(御社のターゲット業種が何割か)。
- 過去の出展企業の傾向と成功事例。
特に、社長や役員層の来場率が高い展示会は、その場で決裁につながる可能性が高く、販路開拓 成功への近道です。
このデータを見ずに決めるのは、地図なしで旅に出るのと同じことです。
チェック2:御社の強みが「際立つ」場所であるか
競争が激しすぎる場所では、御社の強みは埋もれてしまいます。御社の製品が持つ差別化要素が、
他の競合と比較されずに際立つ展示会を選んでください。
例えば、高品質な素材をウリにするなら、価格競争が激しい展示会ではなく、
食の安全やオーガニックに焦点を当てた展示会を選ぶことで、御社の価値を正当に評価してくれるバイヤーと出会えます。
チェック3:商談から受注までの「フォロー戦略」を確立しているか
展示会はあくまでスタートラインです。ブースで名刺を交換した後、いかに早く、いかに適切な提案書を持って訪問できるか。
その後の商談プロセスが曖昧なままでは、どれほど良い展示会を選んでも、その後の新規取引先開拓にはつながりません。
展示会出展の決定と同時に、出展後のアクションプランを明確にしてください。
これは、御社の営業担当者だけでなく、社長自身が陣頭指揮を執るべき重要な戦略です。
まとめ:展示会は「戦略的な投資」です
食品展示会の選び方は、単なる事務作業ではなく、御社の未来の売上を決める戦略的な投資です。
出展に失敗する会社の共通点は、社長がその戦略から目を離し、担当者に丸投げしている点にあります。
御社の販路を拡大し、売上を増やすためには、社長がこまかいところまで確認してください。
展示会選びで迷うことはありません。御社の理想のターゲット社長がどこにいるかを逆算し、戦略的に選定することで、
その投資は必ず回収できます。
御社の販路開拓がさらに加速するよう、私に具体的な展示会選びや出展後の戦略についてご相談ください。
御社に合った最適な支援策をご提案いたします。
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