食品業界を取り巻く環境は年々厳しくなっています。原材料費や物流費の上昇、人手不足、人口減少など、
多くの課題を抱えながら経営を続けている会社も少なくありません。
そのような状況のなかで、「新商品を開発しよう」「展示会に出展しよう」「営業を強化しよう」と
考える社長は多いでしょう。
もちろん、どれも大切な取り組みです。
その前に社長が考えなければならないことがあります。
それは、「会社はどこへ向かうのか」を決めることです。
社長の仕事は現場ではなく経営判断
中小食品会社では、社長が営業をしたり、工場に入ったり、配達を手伝ったりすることも珍しくありません。
多くの食品会社を訪問してきましたが、現場で汗を流す社長を数多く見てきました。
一方で、現場が忙しすぎるあまり、会社の将来を考える時間が取れなくなっているケースもあります。
社長にしかできない仕事は、会社の方向性を決めることです。
どの商品に力を入れるのか。
どの販路を伸ばすのか。
設備投資をするのか。
人を採用するのか。
これらは社員ではなく、社長が判断しなければならない重要な仕事です。
「誰に売るか」を最初に決める
商品づくりから考え始める会社は少なくありません。
もちろん、おいしい商品をつくることは大切です。
誰に売るのかが決まっていなければ、商品の方向性も価格も決まりません。
高級スーパーを目指す商品と、量販店向けの商品では、求められる品質や価格、パッケージは大きく異なります。
つまり、商品より先に「誰に売るのか」を考える必要があります。
売る場所を決めると、やるべきことが見えてくる
私は販路開拓の支援を行っていますが、商品を見ただけでは販路を決めることはできません。
反対に、目指す販路が決まれば、商品開発や価格設定、営業方法まで見えてきます。
百貨店なのか。
高級スーパーなのか。
地域の専門店なのか。
ECなのか。
販路によって求められるものは違います。
「売る場所」を決めることは、経営判断そのものなのです。
社長は忙しいからこそ、立ち止まって考える
毎日の仕事に追われていると、目の前の課題を片付けるだけで一日が終わってしまいます。
その状態が続くと、会社は変わりません。
月に一度でも構いません。
「この会社はどこへ向かうのか」
「どこで売っていきたいのか」
「何を強みにしていくのか」
そんな時間を意識的につくることが、会社の未来につながります。
まとめ
社長は会社で一番忙しい存在です。
だからこそ、現場の仕事だけではなく、経営判断に時間を使う必要があります。
どの商品を売るかより、誰に売るのか。
営業を増やすことより、どこで売るのか。
こうした判断が決まることで、商品開発も営業も販路開拓も一本の線でつながっていきます。
食品会社の経営に正解はありません。
社長が方向性を明確に示すことが、会社を前へ進める第一歩になるのではないでしょうか。
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