食品会社の社長が知るべき「売上アップ戦略」 分析より行動で未来を変える


売上が伸びない。やることは多いのに成果が出ない。
そんな悩みを抱える食品会社の社長は、全国にたくさんいます。

原材料費の高騰、人手不足、取引先の減少。
どれも現実的で、すぐに解決できる問題ではありません。
けれど、売上アップの道は必ずあります。

大切なのは、むずかしい理論よりも「行動できる戦略」をつくることです。
社長が自分で考え、動き、確かめる。
その繰り返しが、会社を強くします。

売上アップの戦略を立てるときに、最初に必要なのは「全体を見渡す時間」です。
日々の仕事に追われると、経営全体を客観的に見ることができなくなります。

たまには机から離れて、紙とペンだけを持ち、静かな場所で考えてみてください。

書き出す内容は三つだけ。

一、業界の変化
二、取引先や仕入先の動き
三、自社の強み

この三点を思いつくままに書いていくと、今の立ち位置が見えてきます。
食品業界であれば、「小ロットの依頼が増えた」「オーガニックや健康志向が定着してきた」「催事が再開している」など。
数字を使わなくても構いません。社長自身の感覚で書くことが大事です。

書き出したメモを見返すと、
「力を入れるべきところ」「変えたほうがいいところ」が自然に浮かび上がります。
これが戦略づくりの第一歩です。

戦略というと、むずかしく聞こえるかもしれません。
けれど本質はとてもシンプルです。
会社の「強みを見極めて、そこに集中する」ことです。

多くの食品会社が失敗するのは、「売れない商品をなんとかしよう」と考えるからです。
売れない理由を探しても、時間ばかり過ぎてしまいます。
それよりも、売れている部分をもう一段伸ばすほうが早いのです。

たとえば、大分の調味料メーカーでは、地元スーパーで少しだけ売れていた商品を、
パッケージを見直して東京のセレクトショップに提案しました。
すると、試食をきっかけに都内の高級スーパーからも声がかかり、
「地方発ブランド」として取引が拡大しました。
やったことは、売れているものをより売れる場所に出しただけです。

別の例では、中国地方の総菜メーカーが、地元の道の駅で人気だった商品を冷凍対応にしてオンライン販売を開始。
この冷凍化という小さな工夫が、大きな成果を生みました。
どちらの社長も「まず動く」ことを優先していました。

戦略とは、机上で考えるものではなく「動きながら磨くもの」です。
最初から完璧を求める必要はありません。

売れるかどうかは、バイヤーでもわかりません。
むしろ行動の中で気づき、方向を修正していくほうが成果につながります。

そして、もうひとつ重要なのは「戦略と戦術を混同しない」ことです。
戦略は何を目指すか。
戦術はどうやるか。
この順番を間違えると、会社が迷走します。

戦略が「首都圏の販路を増やす」なら、
戦術は「展示会参加」「商談会」「SNS運用」「営業代行活用」など。
社長がまず決めるべきは目的地であり、手段ではありません。

現場のスタッフや営業担当者は、社長の戦略を聞いて初めて動きやすくなります。
だからこそ、社長自身が言葉にして方向を示す必要があります。
戦略は、社員に伝わって初めて力になります。

次に大切なのは、時間の使い方です。
経営者は、忙しいほど本質を見失います。

売上を増やしたいなら、「考える時間」と「動く時間」の両方をスケジュールに入れることです。
週に1時間でもいいので、会社全体を俯瞰する時間を確保してみてください。
この習慣が、次の打ち手を生みます。

さらに、行動を支えるのが数字の感覚です。
食品業界では、営業担当の感覚だけで判断しがちですが、
取引単価、原価率、ロス率、リピート率などを見える化すると、戦略の精度が上がります。
データは、社長の直感を裏づける武器になります。

ある和菓子店では、毎週の販売データを社員全員に共有し、
「いま週末に一番売れている商品」を明確にしました。
それをもとに試食を増やし、SNSでも発信を強化した結果、
わずか3か月で全体売上が20%伸びました。

戦略を成功させる社長は、情報を共有し、動きを早めています。
一方、売上が伸びない会社は「誰が何をやっているのか」が見えません。
この差が、成長スピードの違いです。

では、食品会社の社長が明日からできることは何か。

まず一つ目は、「自社と業界の変化を3行で書く」。
これが戦略の出発点になります。

二つ目は、「強みが出ている商品・取引先を選び、そこに集中する」。
広げるよりも、深めるほうが成果が早い。

三つ目は、「戦略→戦術→実行」の順番を意識する。
やることを整理し、動く順番を決めるだけで成果が変わります。

この三つを1週間続けてみてください。
やがて「自分の会社に合った勝ち方」が見えてきます。

戦略とは、社長が日常の中で磨き続ける考え方です。
紙に書いて、話して、行動して、見直す。
それを繰り返す会社は必ず成長します。

今日という一日が、あなたの会社の転機になります。
売上アップは、社長の気づきと行動から始まります。
食品業界にこそ、まだまだチャンスがあります。
行動する社長が、未来を切り拓きます。

ありがとうございました。



顧問契約・セミナー・取材のご相談
食品会社の販路開拓支援、講演・研修のご依頼、マスコミ取材のご相談
ご相談・お問い合わせフォーム

食品会社の社長向けPDF教材の販売
販路開拓成功シリーズを販売中 オンライン無料相談30分付き
教材購入はこちら(STORES)