業績が悪い会社の社長に共通する「口ぐせ」

「人がいないからできない」
「お金がないからできない」
「うちには合っていない」
「どうせ売れない」
「やっても効果がない」
「無理無理」
「そんなことをやっても意味がない」

業績が伸び悩んでいる会社の社長と話をしていると、こうした言葉を耳にすることがあります。
もちろん、中小企業には人もお金も十分ではありません。

営業担当者がいない。商品開発にかける予算も少ない。大手企業のように広告宣伝費を使うこともできない。
問題は、できない理由を並べたところで、会社の状況は何も変わらないことです。
むしろ危険なのは、「できない理由を探すこと」が習慣になってしまうことです。

■できない理由はいくらでも見つかる

新しい販路を提案すると、「うちの商品には合わない」
展示会への出展を提案すると、「出てもだれも興味を持たない」
新しい商品を考えてみましょうと言うと、「そんなものを作っても売れない」
SNSやホームページについて話をすると、「やっても効果がない」

こうして最初から否定してしまえば、確かに失敗することはありません。

お金は使いません。時間も使いません。面倒なこともしなくて済みます。汗もかきません。
でも、何もしなければ新しい売上も生まれません。
小さい会社で社長ひとりでも、やっている会社はたくさんありますよ。

ここが大きな問題です。

売上を増やしたい。
新しい取引先を開拓したい。
会社を立て直したい。

そう考えているのに、出てくる言葉が「できない」「無理」「意味がない」ばかりでは、会社は前に進みません。

■「どうせ売れない」は、やってみなければ分からない

食品の販路開拓では、やってみなければわからないことがたくさんあります。
自分では売れると思っていた商品が、バイヤーから厳しい評価を受けることもあります。

反対に、それほど期待していなかった商品に興味を持ってもらえることもあります。

価格が高いと言われるかもしれません。
容量を変えてほしいと言われるかもしれません。
パッケージについて意見が出るかもしれません。
別の商品を提案してほしいと言われることもあります。

これらは、実際に動かなければ得られない情報です。
最初から「どうせ売れない」と決めてしまえば、その情報さえ入ってきません。

ここが販路開拓では非常に重要だと考えています。
売れなかったという結果も情報です。

なぜ売れなかったのか。

価格なのか。
味なのか。
容量なのか。
商品の見せ方なのか。
提案した相手が違ったのか。

実際に動けば、次に何を変えればいいのかが見えてきます。
何もしなければ、何もわかりません。

■業績が悪いから動けないのか、動かないから業績が変わらないのか

「業績が悪いからお金を使えない」
これはわかります。

「人が足りないから新しいことまで手が回らない」
これもわかります。

中小企業の社長には、それぞれ事情があります。
それでも、「だから何もしない」で終わってしまったら、来年も同じ状態かもしれません。
人がいないなら、人がいなくてもできる方法を考える。

お金がないなら、お金をかけずに試せる方法を考える。
大きな展示会に出られないなら、別の方法でバイヤーに商品を見てもらう。

新商品を大量生産できないなら、小さく作って反応を見る。

100万円かけられないなら、10万円でできることを探す。
10万円も難しければ、お金をかけずにできることから始める。

大切なのは、「できない」で話を終わらせないことです。

■業績を変える社長は「どうすればできるか」を考える

同じ問題を前にしても、社長によって言葉が違います。
「無理だ」で終わる社長もいれば、
「どうすればできるだろう」と考える社長もいます。
この違いは大きいです。

「どうすればできるだろう」と考えると、次の行動が生まれるからです。

誰かに聞いてみる。
取引先に相談してみる。
バイヤーに意見を聞いてみる。
小ロットで試してみる。
売り方を変えてみる。
ターゲットを見直してみる。
別の販路を探してみる。

動けば、なにか情報が入ってきます。その情報をもとに修正して、また動く。
販路開拓は、この繰り返しです。

最初から正解がわかっている仕事ではありません。
考えて、考えて、完璧な答えが出てから動くのではなく、考えながら動く。

動く。
反応を見る。
修正する。
また動く。

この繰り返しによって、少しずつ正解に近づいていきます。

■社長の言葉は会社全体に広がる

もう一つ気をつけたいことがあります。
社長の「無理」「できない」「意味がない」という言葉は、社長だけの問題ではありません。

社員が新しいアイデアを出しても、「そんなの無理だよ」
営業担当者が新しい取引先を提案しても、「そこは売れないよ」

若い社員が新しい取り組みを提案しても、「前にやったけどダメだった」

毎回こう言われていたら、社員はどうなるでしょうか。
そのうち提案しなくなります。

「どうせ社長に言っても否定される」
そう思うようになれば、新しいアイデアも情報も社長のところへ上がってこなくなります。

社長自身が会社の可能性を閉じてしまうことになります。
中小企業は、社長の影響が非常に大きい。
だからこそ、社長が使う言葉は大切です。

■「できない理由」ではなく「できる方法」を探す

経営をしていれば、できない理由はいくらでもあります。

人がいない。
お金がない。
時間がない。
設備がない。
営業力がない。
知名度がない。

中小企業なら、ないものだらけかもしれません。
だからといって、待っていたら、いつまでたっても動けません。

必要なのは、ないものを数えることではなく、あるものを使って何ができるかを考えることです。
「できない」と言うのは簡単です。

「無理」と言えば、その瞬間に考えなくて済みます。
でも、そこで止まれば会社も止まります。

業績を変えたいのであれば、社長自身がまず、
「できない理由は何か」ではなく、「どうすればできるか」を考える。

そして、小さくてもいいから実際に動いてみる。
うまくいかなければ修正すればいい。

また動けばいい。
会社を変える大きなきっかけは、意外にそんな小さな行動から始まるものだと思います。


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