取引先が1社だけで不安な食品会社へ|販路開拓で取引先を増やす具体的手順

食品の販路開拓専門家・伊藤晴敏です。

取引先が1社だけ。この状態で売上が立っていると、一見うまくいっているように見えます。
ですが、経営としてはかなり危険な状態です。

「何かあったら怖い」と感じているなら、その感覚は正しいです。
問題は、不安を感じながら動いていないことです。

売上があるうちは人は動きません。売上が減ってからでは手遅れになります。
手遅れでは遅い。

なぜ1社依存は危険なのか

取引先が1社というのは、売上をその会社に握られている状態です。
契約ではなく、実質的に支配されているのと同じです。

現場で実際に起きていることはシンプルです。

・担当バイヤーが変わったら商品がはずされた
・棚替えで競合に入れ替えられた
・値下げを要望を受けないと継続できないと言われた

どれも珍しい話ではありません。
むしろ日常的に起きています。

例えば売上の70%を1社に依存している場合、その1社が止まれば会社は止まります。
ここを「うちは大丈夫」と考える会社ほど、ある日突然大きな危機がやってきます。

価格交渉も同じです。
1社に依存していると、バイヤーからの値下げ要望を断れません。

これは交渉力の問題ではありません。構造の問題です。
依存している側は必ず弱くなります。

さらに見落とされがちなのが商品開発です。
1社の意見に合わせ続けると、市場ではなく「その会社専用の商品」になります。

結果として、他に売れなくなります。
販路を広げようとしたときに、通用しない商品になっているケースは多いです。

販路開拓に近道はないのか

よく言われます。

「展示会に出てもすぐ売れない」
「もっと早く結果を出したい」
結論を言います。近道はありません。

ですが、遠回りしている会社は多いです。

1回出て終わり
名刺交換だけして終わり
フォローをしない

これでは、どんな会社どんな商品でも結果は出ません。
逆に言えば、やるべきことをやれば結果は出ます。

・同じ展示会に継続して出る
・バイヤーに覚えてもらう
・3日以内にフォローする
・売場の結果を共有する

どれも1日〜2日では結果は出ません。
これを繰り返した会社だけが取引先を増やしています。

即効性を求めて動くと、決裁権のない担当者とばかり会うことになります。
時間を使っているのに進まない原因はここです。

取引先を増やす具体的な手順

戦略も決めずに動くと失敗します。成果が出やすい順番があります。

STEP1 現状を数字で把握する
まず取引先ごとの売上比率を出します。

1社で50%を超えているなら、優先度は高いです。
70%を超えているなら、すぐ動かないと危険です。

STEP2 次に狙う販路を決める
食品の販路は大きく分けると

・スーパー
・百貨店
・専門店
・業務用(外食・ホテル)
・EC

この中から、自社に合うものを絞ります。

ここを間違えると厳しい結果になります。
特に「どこでも売りたい」は失敗のパターンです。
この考えはやめましょう。

STEP3 売れる理由を言葉にする
バイヤーが見るのはここだけです。

・誰が買うのか
・どんな売場で売れるのか
・なぜ売れるのか

商品の特徴ではなく、売れる理由です。
「おいしい」「手作り」「こだわり」「無添加」などは
売れる言葉ではありません。
これがバイヤーに言えない状態でアポを取っても意味がありません。

STEP4 決裁者に直接当たる
ここが一番重要です。

・展示会
・紹介
・既存取引からの横展開

方法は何でもいいですが、必ず決裁権のある人に当たります。
窓口担当者で止まると時間だけかかります。

STEP5 取引開始後に差がつく
新規取引はスタートです。

・売れ行きを確認する
・売場の改善提案をする
・定期的に連絡する

導入されたあとが勝負です。ここをやる会社だけが次につながります。
放置するとすぐに終わります。

実際にうまくいった会社の共通点

取引先を増やした会社は、特別なことはやっていません。

・1社依存を危険だと理解している
・売上があるうちに動いている
・継続してバイヤーに会っている

逆にうまくいかない会社は

・今は売れているから大丈夫
・時間がないから後回し
・1回やってダメだったからやめた

この違いだけです。

まとめ

取引先が1社という状態は、安定ではありません。
見えないリスクを抱えている状態です。

大事なのはタイミングです。

売上が落ちてからでは遅い。
余力があるうちに次を作る。

これができる会社だけが安定します。

取引先をどこに広げるべきか
どのバイヤーに当たるべきか
どう提案すれば通るのか

ここは経験がないと判断が難しい部分です。
間違った方向に動くと、時間だけ失います。

最短で結果を出したい場合は、最初の戦略が重要です。

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