食品会社の社長が営業マン任せでは売上が伸びない理由


食品会社の社長から、「営業マンを採用したのに思うように売上が伸びない」「営業に任せているが成果が出ない」という
相談を受けることがあります。

もちろん営業マンの努力は大切です。
売上が伸びない原因を営業マンだけに求めてしまうと、会社全体の成長は止まってしまいます。

私は2017年から食品会社の販路開拓支援に携わり、多くの食品メーカーを訪問してきました。その中で感じるのは、
売れている会社ほど社長自身が営業の方向性を明確にしているということです。
営業マンは「売る人」です。何を、誰に、どのように売るのかを決めるのは社長の仕事です。

■ 営業マンは経営方針をつくる人ではない

営業マンの役割は、お客様へ商品を提案し、商談を進め、受注につなげることです。
・どの市場を狙うのか
・どの販路を優先するのか
・どの商品を主力として育てるのか
こうした経営判断は社長が行うべき仕事です。

方向性が曖昧なまま「とにかく売ってきてほしい」と言われても、営業マンは動きようがありません。
営業活動は会社の方針に沿って進めるものです。社長が目指す方向を明確に示すことで、
営業マンは迷わず行動できるようになります。

■ 商品が多すぎる会社ほど営業は難しい

食品会社では、長年の取引の中で商品数が増え続けているケースがあります。
営業マンはすべての商品を理解するだけでも大変です。

さらに、どの商品を優先して提案すればよいのか分からなくなり、結果として商品の特徴が伝わらない営業に
なってしまいます。

社長は「今、一番売りたい商品」を明確にし、その理由まで営業マンと共有することが重要です。
商品数が多いことが強みになる場合もあります。

お客様にとって選択肢が多すぎると、何が会社の代表商品なのか分からなくなることがあります。
だからこそ、営業活動では優先順位を決めることが欠かせません。

■ バイヤーは会社の考え方を見ている

商談では商品だけが評価されるわけではありません。

バイヤーは、
「この会社は何を強みにしているのか」
「今後も安心して取引できる会社なのか」
という点も見ています。

社長が営業方針を示し、営業マンが自信を持って説明できる会社は、商談でも信頼を得やすくなります。
反対に、営業マンによって説明が違ったり、商品の位置づけが曖昧だったりすると、
会社としての信頼を失う原因にもなります。

■ 社長の営業に対する姿勢が会社の文化になる

営業マンは、社長の考え方をよく見ています。
社長が営業を軽く考えていたり、「営業マンが何とかしてくれるだろう」という姿勢だったりすると、
その空気は会社全体に広がります。

社長が市場の変化に関心を持ち、お客様やバイヤーの声に耳を傾けている会社では、営業マンも目的を理解し、
自信を持って提案できるようになります。

営業は個人プレーではありません。
商品開発、製造、品質管理、物流など、多くの部署が関わって初めて成り立つ仕事です。
その中心に立ち、方向性を示すのが社長です。

営業マンが力を発揮できる環境をつくることも、社長の重要な役割といえるでしょう。

■ 社長も営業の現場を知るべき

営業マンにすべて任せてしまうと、市場で何が起きているのか社長が分からなくなります。

どんな商品が評価されているのか。
競合はどのような提案をしているのか。
値上げに対するバイヤーの反応はどうか。

こうした情報は経営判断に直結します。

営業マンから報告を受けるだけでなく、ときには社長自身が商談会や展示会に参加し、
バイヤーの声を直接聞くことも重要です。

現場で得た情報は、商品開発や価格戦略、販路開拓の方向性を考える貴重な材料になります。
バイヤーからの一言が商品の改良や営業方法の見直しにつながった場面を数多く見てきました。

現場には、机の上だけでは分からない情報があります。

■ 売れない原因を営業マンだけに求めない

売上が伸び悩むと、「営業マンの能力が低い」「もっと営業を頑張ってほしい」と考えてしまうことがあります。

もちろん営業力は重要です。
ただ、実際には営業マンだけでは解決できない問題も少なくありません。

商品の特徴がお客様に伝わっていない。
価格設定が市場と合っていない。
ターゲットが曖昧になっている。
営業資料が古い。

こうした課題がある状態では、優秀な営業マンでも苦戦します。
営業成績だけを見るのではなく、会社全体を見渡し、「本当に改善すべき点はどこなのか」を考えることが、
社長には求められます。

■ 販路開拓支援で最初に確認すること

食品会社の販路開拓支援を行う際、いきなり営業方法を考えることはありません。

まず確認するのは、
「どの商品を一番売りたいのか」
「どの販路を目指すのか」
「誰に買ってもらいたいのか」
という基本的な方向性です。

この部分が整理されていないまま営業を始めても、成果につながりにくいからです。

営業は最後の工程です。
その前の経営判断が明確になることで、営業マンも自信を持って提案できるようになります。

社長が方向性を示し、営業マンがその実現に向けて行動する。
この役割分担ができた会社ほど、販路開拓は着実に前へ進んでいきます。

■ 売上は営業マン一人ではつくれない

売上は営業マンだけの力で生まれるものではありません。

商品の特徴を磨くこと。
適切な価格を考えること。
品質を維持すること。
どこへ売るのかという戦略を決めること。

これらがそろって初めて営業活動は成果につながります。

営業マンは会社の代表として商談を行いますが、その土台をつくるのは経営です。

営業マンの力を最大限に生かすためには、社長が経営者として判断し、
組織全体が同じ方向を向いて進むことが欠かせません。

■ まとめ

営業マンを信頼して任せることは大切です。
「営業マンが売ってくれるだろう」と考えるだけでは売上は伸びません。

社長が会社の方向性を示し、売る商品や販路を明確にし、営業マンが力を発揮できる環境を整えることが重要です。
食品業界は変化のスピードが速く、競争も年々激しくなっています。

だからこそ、社長自身が営業を経営の視点で考えることが、会社の未来につながります。
営業は営業マンだけの仕事ではありません。

社長の経営判断と営業マンの行動がかみ合ったとき、販路開拓は大きく前進します。
その仕組みをつくることこそ、社長にしかできない大切な仕事ではないでしょうか。


—————————————————————————
■個別相談・セミナー・取材のご相談
 → お問い合わせフォームへリンク■社長向け販路開拓PDFはこちら
 → 社長向けPDFはこちら(STORESへ)